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足場設置届とは?労働基準監督署への機械等設置届をわかりやすく解説


① 機械等設置届とは

「機械等設置届」とは、労働安全衛生法第88条に基づき、建設現場で特定の機械や設備を設置・移転・変更する際に、その計画を事前に労働基準監督署長へ届け出る制度です。この届出の目的は、計画段階で労働安全衛生法に定められた基準に適合しているかを行政機関が審査し、労働災害の発生を未然に防ぐことにあります。届出対象には、足場、建設用リフト、クレーンなどが含まれます。

届出の基本

  • 根拠法規:労働安全衛生法 第88条
  • 使用様式:様式第20号(機械等設置・移転・変更届)
  • 提出先:工事現場を管轄する労働基準監督署長


② 足場の設置届とは

「足場の設置届」は、機械等設置届の一種で、労働安全衛生規則の別表第7で定められた特定の足場を設置する際に必要となる届出です。すべての足場工事で届出が必要なわけではなく、一定の規模や期間を超える場合に限定されます。

【要注意】届出が必要となる足場の条件

以下の両方の条件を満たす場合に、届出が義務付けられています。

  1. 足場の種類と高さ:
    • つり足場、張出し足場(※これらは高さに関わらず対象)
  2. 設置期間:

つまり、一般的な戸建て住宅の塗装工事のように、高さが10m未満であったり、工期が60日未満で完了したりする場合には、原則として届出は不要です。


③ 必要書類と留意点

足場設置届の提出にあたっては、届出書本体である「様式第20号」の他に、計画内容を明らかにするための各種書類を添付する必要があります。提出する書類は正副2部用意するのが一般的です。

書類名内容と留意点
様式第20号(機械等設置届)届出の表紙となる書類。厚生労働省のウェブサイトからダウンロード可能ですが、事業の種類、工事の概要、予定期間などを正確に記入します。
案内図(位置図)工事現場の場所を示す地図。広域地図と、敷地内の詳細な作業位置がわかる地図の2種類を用意すると親切です。
工程表工事全体のスケジュール表。足場の組立開始から解体完了までの期間が60日以上であること、届出日が工事開始の30日前であることを確認するために必要です。
平面図・立面図・断面図足場の構造や配置を示す図面。建物との位置関係、高さ、手すりや幅木の位置などを明記します。詳細は次章で解説します。
詳細図平面図や立面図だけでは表現しきれない、部材の接合部や特殊な納まりなど、足場の安全性を担保する上で重要な部分を図示します。
足場部材等明細書使用する足場部材の種類、規格、数量などを記載した一覧表。最大積載荷重や作業主任者の氏名も記入します。
構造計算書足場が自重、積載荷重、風荷重などに対して構造的に安全であることを計算によって証明する書類。届出の中でも特に専門性が高く、重要な書類です。


④ 足場計画図の種類と図面に表記するべき内容と留意点

足場計画図は、現場作業員が安全かつ効率的に足場を組み立てるための重要な指示書です。届出には主に「平面図」「立面図」そして必要に応じて「断面図」や「詳細図」を添付します。

平面図

建物を真上から見下ろした図で、足場の水平方向の配置計画を示します。労働基準監督署は、この図面で以下の点などを確認します。

  • 建物と足場の離隔(壁離れ):作業性や安全性を考慮し、原則300mm程度確保されているか。
  • 作業床の幅:40cm以上確保されているか。
  • 敷地境界との関係:足場が隣地にはみ出していないか。
  • 各種隙間:作業床と建地(支柱)の隙間が12cm未満など、墜落防止措置が適切か。
  • 壁つなぎの設置:壁つなぎが計算書に基づいて設置されているか。

立面図

建物を真横から見た図で、足場の高さ方向の構成を示します。主に以下の内容を表記し、安全基準への適合性を確認します。

  • 足場の高さ:届出対象である10m以上か、また足場の種類ごとに定められた上限(例:くさび緊結式足場は原則45m以下)を超えていないか。
  • 手すり・中さん・幅木:墜落防止のための手すりや中さん、物体の落下を防ぐための幅木(高さ15cm以上)が適切な位置に設置されているか。
  • 根がらみ・頭つなぎ:足場の最下部を固める「根がらみ」や、最上部の緊結部材である「頭つなぎ」が記載されているか。
  • 建物との干渉:窓や玄関、バルコニーなど、建物の設備と足場が干渉しないか。
  • 壁つなぎの設置:壁つなぎが計算書に基づいて設置されているか。

断面図・詳細図

建物を垂直に切断した「断面図」は、特に内部の吹き抜けや複雑な構造を持つ建物で、高さ関係や内部足場の計画を示すのに有効です。また「詳細図」は、規格化されていない特殊な納まりや、安全対策上特に重要な部分の構造を拡大して示し、計画の妥当性を補強するために作成します。


⑤ 足場構造計算書で計算すべき項目と計算方法と留意点

足場構造計算書は、計画された足場がさまざまな荷重に対して安全であることを数学的に証明する書類です。計算ミスや図面との不整合は届出が受理されない原因となるため、細心の注意が必要です。

計算すべき主要項目

主に「鉛直荷重」と「水平荷重」に対する安全性を検証します。

  1. 鉛直荷重(垂直方向の力)の検討
    • 固定荷重:足場自体の重量。
    • 積載荷重:作業床に載る作業員、資材、工具などの重量。
  2. 水平荷重(横方向の力)の検討
    • 風荷重:台風や強風によって足場に作用する力。

積載荷重の根拠と計算方法

労働安全衛生規則第562条では、事業者は足場の構造や材料に応じて作業床の最大積載荷重を定め、それを見やすい場所に表示することが義務付けられています。計算上の仮定として、足場の種類に応じて以下のような値が一般的に用いられます。

足場の種類一般的な最大積載荷重(1スパンあたり)根拠・想定
単管足場・くさび緊結式足場250kg/スパン作業員2名(約150kg)+資材・工具(約100kg)を想定した値。
枠組足場400kg/スパンより堅牢な構造のため、大きな荷重に耐えられる設計となっている。

これらの荷重が支柱(建地)の許容支持力(例:鋼管1本あたり700kg)を超えないかを確認します。

風荷重の計算方法

風荷重は、特にメッシュシートなどを張った場合に非常に大きくなり、足場の倒壊に直結する重要な検討項目です。計算は(一社)仮設工業会の技術指針に基づき、以下の式で行われます。

風荷重(W) = 速度圧(q) × 風力係数(C) × 受圧面積(A)

  • 速度圧(q):地域の基準風速や建物の高さによって決まる風の圧力。
  • 風力係数(C):足場の形状や、ネット・シートの有無によって決まる係数。
  • 受圧面積(A):風を受ける面積。壁つなぎの強度計算では、壁つなぎ1本が支える範囲の面積を指す。

算出した風荷重が、壁つなぎ用金具の許容耐力(4.41kN以上)を下回るかなどを検証します。


⑥ 届出のフローと各段階での留意点

足場設置届の手続きは、計画から工事開始まで、いくつかのステップに分かれています。各段階での留意点を押さえ、スムーズな進行を心がけましょう。

  1. 事前準備(現地調査・計画作成)
    有資格者(※)が中心となり、現場の状況を調査して足場計画を作成します。この段階で、届出に必要な図面や計算の基礎となる情報を収集します。
    ※計画作成参画者研修修了者、一級建築士など、定められた要件を満たす者。
  2. 書類作成(図面、計算書)
    計画に基づき、様式第20号や添付書類(図面、構造計算書など)を作成します。記載内容に漏れや誤りがないか、図面と計算書の内容が整合しているか、入念に確認します。
  3. 届出の提出
    工事開始の30日前までに、管轄の労働基準監督署へ書類を提出します。提出方法は窓口持参、郵送、電子申請(e-Gov)があります。期限を過ぎると「遅延理由書」の添付が必要になるため、余裕を持ったスケジュール管理が不可欠です。
  4. 労働基準監督署による審査
    提出された書類は、労働安全衛生法などの関係法令に適合しているか審査されます。審査には数日から数週間かかる場合があります。
  5. 指導・受理
    審査の結果、計画に問題がなければ「受理」されます。もし法令基準に反する点や、安全上不十分な点があれば、是正を求める「指導」が入ります。この場合、指導内容に従って計画を修正し、再提出する必要があります。
  6. 工事開始
    届出が正式に受理された後、計画通りに足場の設置工事を開始できます。届出は許可制ではなく、あくまで計画の事前報告ですが、受理前に工事を始めることはできません。


⑦ 専門会社に依頼するメリット

足場設置届に関する一連の業務は、専門的な知識と多くの時間を要します。これらの業務を専門会社に委託することで、建設会社は本来の施工管理業務に集中できるなど、多くのメリットがあります。

専門会社に依頼する主なメリット

  • 高品質な書類作成:法令や技術基準を熟知した専門家が作成するため、図面や構造計算書の品質が向上し、審査での手戻りリスクが低減します。
  • 手続きの円滑化:豊富な経験から、労働基準監督署とのやり取りや、指導事項への対応がスムーズに進みます。「申請が一度で通る」可能性が高まり、工期の遅延を防ぎます。
  • 業務負担の軽減:現場調査から書類作成、提出代行までをワンストップで任せられるため、現場監督や本社の担当者の負担を大幅に軽減できます。
  • コンプライアンスと安全性の確保:届出漏れや計画の不備といったコンプライアンス違反のリスクを回避し、専門家の視点からより安全性の高い足場計画を実現できます。

株式会社エヌティーデザインは、まさにこうしたニーズに応える専門家集団です。単に図面を描くだけでなく、着工前のあらゆる「段取り」と「検討」を担う現場支援のパートナーとして、多くの建設会社から信頼を得ています。


⑧ 株式会社エヌティーデザインの紹介

株式会社エヌティーデザインは、東京都新宿区と北海道に拠点を構え、仮設計画に特化した技術サービスを提供する会社です。「人と人のつながりを大切にする」を企業理念に掲げ、現場の負担を軽減し、安全な工事を支えることを使命としています。

事業内容と強み

同社の強みは、着工前に必要な準備をワンストップで支援する包括的なサービス体制にあります。

サービス内容詳細
仮設計画図・施工図作成修繕、改修、新築など、あらゆる工事に対応した実用的なCAD図面を作成。見た人が迷わず動ける、現場で本当に使える図面を提供します。
各種申請書類作成労働基準監督署に提出する足場設置届や建設工事計画届など、専門知識が求められる申請書類の作成を代行します。
構造計算・積算業務足場の構造計算書作成や、工事費用の積算業務にも対応。安全とコストの両面から計画をサポートします。

豊富な有資格者

エヌティーデザインには、足場設置届の計画作成参画者資格を持つスタッフをはじめ、一級建築施工管理技士、二級建築士、足場の組立て等作業主任者など、建設関連の多様な有資格者が在籍しています。この専門家チームが、あらゆる角度から計画を検討し、安全で合理的な仮設計画を実現します。

足場設置届をはじめとする複雑な申請業務は、ぜひ株式会社エヌティーデザインにご相談ください。専門知識と豊富な経験で、貴社のプロジェクトを強力にサポートします。

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